2005年8月1日掲載

■ 日米同盟下での沖縄 4.28の爆発を連続させよ! ■

寄稿
日米同盟下の沖縄
1969年4月
発行:愛知沖縄問題研究会編

1 核心は何か

いわゆる沖縄問題とは一体何なのか。
地理や気候、民俗や風習、芸能や言語等々その道の専門家にとっては、面白い題材が沖縄にはたくさんある。だが、いまここでとりあげない。では沖縄戦とかドル経済とか祖国復帰運動、異民族の支配とかが沖縄問題の核心なのか。これらは核心から派生、また近くにあるが核心ではない。では沖縄問題の核心とは何か。

それは軍事基地である。
米国は軍事基地を維持するために施政権を握り、またドル経済を実施しているのだ。 沖縄問題の核心が軍事基地であることをきちんと押さえておこう。
軍事基地が核心だから軍事基地を直接攻撃することは、一応正しい。だが、物理的にいって沖縄島は鹿児島県のはるか南方の海上にある。渡航するためには身分証明書(パスポートに代わるもの)の交付を米軍民政府の代理機関・日本政府から受けねばならない。日本政府は、真に闘う日本人への身分証明書の発給をしない。
 沖縄闘争は沖縄で、沖縄県民と共に米軍基地を直接攻撃することが最も有効である。しかし、本土住民にとっては、物理的に困難だ。本土側は本土で沖縄闘争をおこなうしかない。これに対し、沖縄側からの、本土での沖縄闘争は、意味がない、とする批判は政治的白痴である。
 われわれの闘いの焦点は、沖縄では、米軍基地を!本土では、日米安保体制の中枢部を! 連帯をもって日米両帝国主義政府を震撼させるものでなければならない。

1968年11月28日沖縄奪還労学決起集会の闘いとその形態はこの意味でまったく正しい。

? 米両帝国主義政府の思惑

沖縄の軍事基地の機能と目的、この軍
事基地をめぐる東北アジアの情勢変化の中で日米両帝国主義政府はどのような思惑を抱いているだろうか。
 まず米国政府はどうか。
 沖縄の位置する地理をまず頭に浮かべてみよう。北に日本、韓国、西に中国大陸、南西に台湾からベトナム、そして東にアメリカ大陸がある。世界的規模で米国の発言力が高いのは、沖縄をはじめ遠方まで軍隊を送り込み、睨みをきかせているからである。米国にとって沖縄で軍事力を誇示することは、東北アジア諸国にあたえる影響力は絶大である。例をあげる。3月9日から25日まで沖縄の嘉手納基地を中継、補給して行われた米軍と韓国軍の戦闘部隊大空輸演習は、沖縄米軍基地の重要性を再認識させた。

軍事基地は、兵士と基地と武器さえあれば機能するものではない。基地をとりまく環境、とりわけ周辺住民の協力が必要不可欠である。住民の協力を得るがために施政権を握っているのである。それを支えるためにドル経済体制下に沖縄を組み入れたのである。

 米国にとって必要なものは、軍事基地である。軍事基地の機能維持の保証を日本政府がおこなうならば、基地維持コスト減にもなるので、沖縄の施政権を日本に返還してもマイナスではない。

 日本政府の思惑は何か。

 日本政府が施政権返還を求めている理由は、沖縄県民のためだけでない。その背景は、日本の経済力が先進国となっても国際社会での発言力の弱い、それは軍事的力が不足しているためだ、という声が財界にある。それが自民党の右派を突き上げている。海外への経済進出の報告書を読むと「地球の隅々まで日本人は、カバン一つを引つさげて日本商品を売り歩き、外貨を稼いでいるのに日本政府はこれに対して何らの保護や応援、また政府間での平等な条約締結をしていない」という不満の声が必ずでてくる。この声を背景にして日本政府は、自衛隊の軍事力を強化することを米国と密約しているのではないか。そして防衛力強化計画の進行と引換えに沖縄の返還をうけ(受身)ようとしているのだ。更に、軍事施設基地維持費まで肩代わりしようとしているのだ。日本政府にとり、施政権返還は、日本が軍事的に強力になることをも意味している。米国政府にとり、沖縄を返還しても、東北アジアの軍事的均衡が崩れないこと、そして米国にとりドル防衛にプラスとなる、軍事基地の機能が減退しない、なら願ってもないことである。

日米帝国主義政府の思惑の陰で、沖縄の米軍基地の機能に支障を来たさない、という密約を結んでいるだろう。 その密約とは一体何か。「核兵器」存在の有無を問わない、を含めて基地機能維持への協力、だろう。


 いま、進行日米帝国主義政府間で進行している沖縄返還は、日米両帝国主義政府の思惑が一致してのことではないのか。

 では、われわれはこれにどのように対処したらいいのだろうか。

3 4.28の爆発を連続させよ!

日本帝国主義政府の軍事力強化に徹底的に闘うこと。考えられるすべてのことを試みること。沖縄渡航制限撤廃の闘い、新宿での米タン阻止闘争、軍事基地闘争、都市ゲリラの闘い。これらについては既に全学連や新左翼が幾度も試み、これらの闘いのすぐれた報告書も多く出版されている。
4.28の爆発を5.1に、そして6.10の国際反戦デーに。闘いを連続させること。小牧基地への攻撃や松平・下山地区への自衛隊弾薬庫建設粉砕の闘い等々を愛知の新左翼が主体的に闘いを組むことが必要だ。
日本の中心部である名古屋で闘いの爆発をかちとることは、東京と大阪にあたえる影響は大きい。また、70年闘争では、愛知県警第1・第2機動隊が東京へ進駐すると噂されている。名古屋の新左翼は、敵権力に舐められている、と私は思う。
断固たる直接行動で70年を闘いぬこう!

〈コメント〉
私、31歳、沖縄渡航制限撤廃闘争後、気分が昂揚(躁状態)していた。論文でもエッセでもない、論旨もしっかりしていない、出来の悪いアジビラの域をでない文章である。
当時、こんな雰囲気が世相をおおっていた、という意味で掲載することにした。
 2005-8-17  政司