■ PCB事故 内部からのメール ■

2011年1月22日 掲載
掲載者
渡久地 政司

  内部からSOSの発信
メールには、公開について検討(してください)、とあった。これを「公開してください」、と理解することにした。メール内容は、圧力がかかっているSOS信号と感じた。 告発者や関係者の身に「危害」が加わった時、全国・全世界の読者はどうしますか。

送信済み: 2011年1月17日, 月曜日 午前 11:53:56
件名: 公開について検討してください

 この文面は、事故により告発者と疑われた人物が会社に対して、事故当時の作業者としての立場において、会社のモラルを問う文書であります。 実際にこの内容を豊田環境サービスに対し送付し、現在回答を待つところであります。 その人物は、告発があり事故が発覚し、告発がなければ会社は事故を公表しなかったと思っています。 仮に、会社が発表してもその内容は以下の文面のとおり、会社が情報を操作したうえで公開されたと思っています。 その証拠がこの文書であります。

 内部告発について 日本環境安全事業株式会社への要望と今後の安全について

 @経緯
   昨年末に発生した、日本環境安全事業株式会社豊田事業所においての複数の漏洩事故、トラブルに対して、発覚した理由は告発であったそうです。(報道では、市への匿名の通報と記載) 告発内容は、見ていないから不明であるが、これまでの経緯等を見ていると昨年当社において発覚した事故は、告発がなければ発覚しなかったと捉えている。 私は、告発者を責めたり、探したりすることは望んでいません。また、内部告発を否定する気はありません。
Aこの件に対する会社への要望
 1 以後、事故、トラブルが無い事をお祈りします。
 B平成22年11月19日の事故について不安に思っている内容 (PCB流出について)
本件に対して会社側が世間に対して伝えた内容と、私が実際に体験した内容に開きがあります。 その開きがある以上、本件に対する不安が払拭されません。
それは、11月19日当日に、PCBは社外への漏洩はなかったとの内容です。
不安とは、私がPCBを社外に漏らしたといわれて、私に対して何らかの責任追及が第3者や告発者からあることです。
それは、「この人が、この日に、こういった作業をしていて、PCBを社外に持ち出した、だから、この人は汚染されている。」などというような内容を世間に伝えられることについて、会社や個人への風評被害的な被害が出ることに対して、強く不安を感じております。思いすぎかもしれませんが、このような内容がすでに告発者を含め、世間に知られている可能性が高いと、私なりに判断しているために、このような事態になっても漏洩した液体について安全であるという判断を下すためにも対応を願います。
 C PCBが含まれていることを知った経緯 PCBが外部に流出した、事実を自分が確認した経緯 (PCB流出について)
12月7日に、中日新聞の記事を見た、家族や知り合いから自分の職場について心配をする発言が質疑、この記事を確認したところ11月19日の事故が問題視されており、当時漏洩した液体についてPCBが含まれていることを知った。また、日付は不明だが漏洩した液体をサンプリングしたり、その周辺を環境測定をしている作業の中で、PCBの混入を知った。
11月19日に社外へ漏洩した液体が流出したことについての事実確認は、 事故当日に風呂に入るとき(衣類を脱ぐ際に)に気がついた。気がついたポイントは、液体の臭いが独特であり、気がついた。
  D平成22年11月19日の事故について当日の行動 (PCB流出について)
 時刻 説明
 630 出社
 645 職場(中央制御室着)
 700 職長から、反応槽のリークテストに使用した槽内の窒素を排気するため、槽排気のバルブを開けるように職長から指示される。酸素濃度計を装着する。
 730 同僚と私 バルブ操作完了の連絡をする。 職長 排気開始を職長から私に連絡 同時にPCB分解エリアからの退避を命じられる。
 735 排気開始 。(室内空気が白く濁ることを同僚と確認) 。(室内空気が白く濁ることを同僚と確認)
 745 排気管より、排気凝縮液漏洩を同僚と私が確認。
750 中央制御室(職長)に同僚が報告する。
 755 漏洩した液体清掃のため、ウエス等の準備
 800 清掃作業開始 私と同僚は3系のふき取り作業 もう1名の班長は1系のふき取り作業
 時刻不明 JESCO職員数名と上司が到着 一部作業に加わる。移動式活性炭装置をJESCO職員が準備 起動(3系側)
 910 私は、事故以前から決定していた別作業にて離脱 上司から作業着の上着だけを着替えるように命じられる。
 915 ロッカーにて作業着を着替える。汚れた作業着は、社内ドライクリーニングへ提出する。
 920 中央制御室到着 朝礼の最中
 925 朝礼終了後、

   以上の内容が事故当日の私の行動です。
 漏洩した液体が私に付着したのは、755から910の間の時間です。また、ウエスを準備した時からふき取り作業を行った間です。
 E 社外へのPCB流出の報告が遅れた原因(PCB流出について)
 1 当初PCBが、含まれていることを知らなかった。事故直後から社内(豊田環境サービス内)において、 事故について発言すること自体に抵抗があるように感じられた為、伝えられなかった。
 2 報道された後について、会社(豊田環境サービスや日本環境安全事業)から自分に対し調査が無かったから、回答できなかった。
 3 12月17日の上司との会談において、そのことについて聞かれたが、当時の社内の風潮を考慮した所、回答できなかった。
   風潮とは、自分が内部告発者だと疑われているとの情報があった。
 F 社外へのPCBの流出を伝えた経緯
   12月24日に、家族が前日23日のインターネット朝日新聞の記事を、偶然見たところ不安がり(心配していたため)詳細を答えた。その後、自分の会社(派遣元)の担当者に、電子メールにて伝えた。    G平成22年11月19日の事故について要望(PCB流出について)
 1 11月19日に漏洩した液体が付着したことについて、人体への危険性について教えて欲しい。
 2 1については、資料や書類にまとめて欲しい。
 3 血中PCB濃度の測定をして欲しい。
 4 3の結果について、入社から現在までの結果を教えて欲しい。
 上記の4項目を、早急に調べて、教えて欲しいです。
 これらの要望は、今後想定される風評被害的な被害を避けるためにも、作業員の健康に影響はなく安全であると主張するためにも、行っていただきたいと思っております。  考えすぎかもしれませんが、少しでも不安がある以上は、安全対策としても行っていただきたいと思います。
 H 私との認識のずれについて
 また、そのほかにも漏洩した液体の量についても、私は10リットル以上漏洩したと見ていましたが、発表された内容は5リットルだった。
 私の10リットルとの、見識の根拠は、事故当時3系側には容量9リットルのバケツと容量約3リットルのバットが偶然事故現場下部に置いてあり、バケツには半分程度、バットにも半分程度の液体が溜まっていた事を目撃している。また、3系側は床面にも液体がこぼれており、これらの情報を総合的に判断すると、10リットル以上という数字は有り得ると判断していた。  ただし、1系については、ふきあげ作業に参加しておらず、はっきりとは見ていないが同様の結果であったと思う。 これについては、12月17日に上司に話したが、5リットル以上ではふきあげられないと思うと言われたが、バケツやバットに溜まっていた背景を見ると、拭いた量と漏洩した量が混同されているのではないか疑問である。   上記の内容から、10リットル以上または、10リットル以上で量は不明であるというのが、私の見解であります。
 I 認識のずれに対する要望
 1 書類か資料での説明を求めます。