■ 1961-01-01 加茂タイムス紙 「沖縄で観たこと」 帰って来るんじゃなかった ■

2002年11月1日

晩年の横井 庄一さんが、「帰って来るんじゃなかった!」といわれた、と横井さんと親しかった方からきいた。
朝鮮民主主義人民共和国という国家によって拉致された五名の方々が、生まれ故郷に生還した。ほんとうによかった、と心の底から思う。
ところで、日がたつにつれ、日本という国家によって、この五名の方々が「拉致」されているのではないか、という思いがしてきた。
わたしは、これまでにも、多くの事件について、思い込みが激しく、情報も資料も少ないのに勝手に想像し、結論をだす、という癖があった。この事件についても、わたしの思い込み、判断の誤りであってほしいのだが、五名の方々が、「帰って来るんじゃなかった」と思いはじめているのではないか、そんな気がしてならない。
次にそんな思いに至った疑問点をあげる。
@ 家族の経済的負担は、どうなっているのだろうか。
A 五人が三地域に分かれているが、お互いに連絡をとることが出来るのだろうか。
B 行動が厳しく制限されてはいるのではないか。
C マスコミに報道管制・規制があるのではないか。
国家による犯罪にたいして、国家群が行動をおこしている状況下で、五人の方々が、利用されているのではないか。そして、もっと大きな事件へと発展するのではないか。
国家により利用され、犠牲になるのは、いつも民衆。
杞憂であってほしい。