■ 杉浦明平さんと清田和夫さん ■

2011-08-30 掲載 


出版社 風媒社
定価  2500円+税
 2011-8-20
著者 別所興一
   鳥羽耕史
   若杉美智子
杉浦明平 (1913-2001)
 愛知県渥美郡福江町古田(現 田原市古田町)生まれ。ルポルタージュ文学の創始者、イタリア・ルネサンス文学研究者、戦後一時期地域政治活動に参加。

杉浦明平先生を語る本。文学と政治は、古くて新しい課題。
明平さんも清田さんもまじめな人なので、つくってしまった「名声」によって、すっきり「転向」することができず苦しんだ。
清田さんの遺書とも言える『開かれた郷土愛 渥美と共に』を併せて読みたい。
二人の巨人なき今、冷静に渥美ロマンを総括しなければならない。

『開かれた郷土愛 ─ 渥美と共に』
清田和夫著(BC出版、2002年)
四六判/上製/292ページ/1700円(頒価)
陸軍士官学校生であった戦中派の著者は、戦後、共産党員となり後に除名を受ける。地方の政治や住民運動、郷土史研究にかかわる幅広い活動を通して、靖国や天皇制の問題を独自の視点で探求し、渥美の歴史を調べてきた(第T部、第U部)。また、その生涯における活動と思想を聞きとった、のべ7時間にわたるインタビューの記録を編集(第V部)。著者の純粋な理想主義が国家の正義を問う

。 目次
T 靖国問題への提言
われらのつとめとしての鎮魂/女王の参拝 その一/女王の参拝 その二/沖縄「平和の礎」に思う/インタビュー 敵味方供養の視点
U 渥美・古の風
古地名「トラノ」/西山字名事始め/みょうらくさん・明楽を尋ねて/はがちの風/渥美半島先端(みさき)二つのご神事/魂の往来/伊良湖東大寺瓦窯考(未完)
V 一士官学校生の戦争体験と戦後
陸士へ進む ─ アジア解放の夢/戦争責任を問う ─ 天皇・組織・個人/戦後の政治運動/ヒューマニズムを生きる
清田和夫氏の思想 ─ インタビューを終えて(作田啓一)