■ 豊田参合館をめぐる利権のからくりを解明
B 豊田参合館とメンテナンス ■

T B豊田参合館問題

渡久地(toguchi)政司
豊田参合館/メンテナンス等に問題あり!
豊田市の都心、名鉄豊田市駅東側広場南側に、豊田市立図書館 やコンサートホール、能楽堂の入っている巨大なビルが豊田参合館です。平 成10年11月、総事業費約270億円をかけて完成した壮麗なビルです。昨年、猛 暑の夏休み、小中学生から高校生たちが避暑を兼ねて押しかけ、大いににぎわ いました。ビルの概観やアトリュウムなどは、それは立派なものです。図書館 やコンサートホールの機能なども、多くの市民からプラスの評価を得ています。 しかし、ビル(建物)のメンテナンス(維持・管理・補修)には問題がありま す。そのことをまとめて報告します。

!豊田参合館を建設(施主)したのは民間!

このビル(建築物)を建設したの施主は、豊田市ではありません。エッ!と 驚かれた方も多いでしょう。実は、「豊田市民センター地区市街地再開発組合」 という民間団体が施主なのです。ビルの正式名称は『豊田市民センター地区 再開発ビル』なのです。「豊田参合館」は愛称なのです。次に、このビルの所有 者・所有区分などを明確にしておきます。土地は、豊田市と民間地権者の共有 持分権として登記されています。ビルは、豊田市が地下駐車場と3階から13階、 屋上を組合から買い取り、豊田市の行政財産として登記しています。所有区分 は、分譲マンションの所有形態と同じです。1〜2階は組合所有で、組合が賃貸 で民間に貸しています。ロビーやエスカレーターなどは共益部分です。問題 が発生するのは、豊田市という公的機関と組合が同じビルに同居していますので、 ビルそのものと内部の維持・管理・補修・が複雑になります。しかも、この管理 ・補修費用が膨大になります。豊田市の行政財産が大半なので、この維持・管理 を任せる企業を、豊田市の規定どうりに、競争入札にすればよいのですが、 民間(組合)が建設したビルだ、というだけの理由で、豊田市の行政財産部分 も含めて、一括して、民間会社に委託しているのです。問題なのはこの 民間会社は、普通の努力せずに大きな利益をあげていることです。


!ビル全体の維持・管理を一民間企業に委託!

このトンネル会社は、株式会社メンテックといいます。事務所が豊田 参合館にあります。「メンテック」の経営母体は豊田都市開発株式会社です。 豊田都市開発管理部からH次長ら5名が「メンテック」に出向しています。 「メンテック」は、「設備管理」「清掃」「警備」の3部門があり、ここが任意に業者を選定し、 業務を委託しているのです。「メインテック」の平成10年度の売上高は6億4千8百万円、 経常利益は3千2百万円です。不思議なことに、トンネル会社なのに負債(固定負債・ 若宮町駐車場ビル)が8億3千万円もあり、支払い利息割引料が1千8百32万円もあります。 経常利益+支払い割引料+当期未処分利益をたすと7.892万円となります。 利益隠しのの疑惑が生じます。
この豊田都市開発株式会社と倒産した「豊田そごう」は双生児です。この関係については、 次のページを開いてください。

豊田そごう問題

!不可解な美術品の購入と扱い!

豊田市参合館には、豊田市行政財産台帳に記載されてもよい美術品が3点あります。


一つは、図書館正面玄関横の現代彫刻「文化の種」女神。
二つは、能楽堂東側ロビーにある陶壁。
三つは、能楽堂内の鏡板「松の図」。
この3点は、いずれも建築物の壁であって、美術品ではありません。購入代金も不明で、 建築費の壁に含まれております。次に、具体的に説明しましょう。

文化の種ー女神の作者は、市図書館職員(幹部)は、イタリア人のマリア・ ボナノッテ(女性)と経歴を記載したコピーをくれた。豊田参合館がオープンした直後、 豊田市都心整備対策室の職員は、チェッコ・ボナノッテ(男性)と説明をしました。 夫婦でも作品の製作者は明確にすべきなのにおかしいことです。この作品の購入代金は? と聞きますと、「建築費の中にふくまれており、豊田市はノータッチ、壁の一部であって 美術品ではない」。消息筋は「この作品は、約2千万円で、ビル建設企業JVが負担した」。

陶壁の作者は、陶芸家加藤重高氏。重高氏の父親加藤唐九郎製作の陶壁のパーツ を重高氏が再製作した大作ー『緋藻変華』。この作品の購入価格も不明です。勿論、美術品 ではありません。ロビーの壁なのです。消息筋は「加藤正一市長(前)が名古屋市で もらってきたもの」とのこと。これも、建築企業JVが負担したのであろうか。

能楽堂の鏡板ー松の図作者は東京芸術大学教授の日本画家田淵俊夫氏。これも 能楽堂内の内装費にふくまれていて、美術品でなく、壁で、価格も公表されておりません。 行政の会計処理では、壁としての扱いかもしれませんが、納得しかねます。建物の壁画が 美術品でないのでしたら、ローマのバチカン教会の壁画は一体何なのでしょう。法隆寺の壁画 でもしかり、です。作品の購入価格を公表することが、そして、美術品として取り扱うことが、 作家・芸術家への礼儀ではないでしょうか。
ビル建築の積算基礎、明細ほど不明瞭なものはありません。