■ 竜城会をオープンにさせた
F 教師の裏金団体(竜城会) ■

2008年2月5日掲載
教育を歪める竜城会は解散せよ

1975年12月豊田市議会一般質問

教育を歪める「竜城会」は解散せよ

豊田市の教育を歪める竜城会の学閥支配の実態を指摘し、吉田教育長の考えと今後の改善方針をお聞きしたい。
竜城会とは、愛知県岡崎師範学校、愛知第二師範学校、愛知学芸大学岡崎分校、愛知教育大学岡崎分校等を修業した者の同窓会的組織であります。
しかし、この竜城会は単なる同窓会的組織ではなく、その実態は、三河の教育を支配する強力な圧力・政治団体であり、一方、教材等を製作し販売する教育業者でもあります。
竜城会が圧力・政治団体である、ということは、私がいいだしたことではなく、政治学会の機関誌『政治』に「愛知県政と圧力団体」と題して名古屋大学教授の山口利男氏が愛知県政を分析し、三河と尾張の対立が元亀・天正以来のものであり、その対立の底流に三河の竜城会、尾張の芳稜会があることを指摘しております。
県下では三河が差別され、その三河内では、竜城会により竜城会外の教師が差別されている。三河、尾張の排他的な対立を打破するためにも竜城会を問題にしなくてはなりません。
竜城会には、組織部、教宣部、福祉部、対策部、(事業部)の五部があります。このうち対策部が圧力・政治団体たる推進力となる機関であります。竜城会細則第5条(部)の第4項には《対策部は、愛知教育大学、教育委員会、教員組合などに対する渉外にあたる。》としています。この対策部が、県教育委員の人事や、また竜城会と同種の学閥であり、尾張・名古屋を支配している芳稜会と校長人事で取引したり、県や市町村の教員人事に働きかけたりしています。

一方、事業部というのは、竜城会会則第4条事業の第2項の《教育の発展、振興に関する事業》により、各支部に存在する機関であり、この事業部が副読本やテスト帖の注文を受け付け集金し販売をするのであります。
以上、概略的に述べましたが、以下吉田教育長に一つ一つの事実を指摘しながら、それぞれを認めるか否か、否の場合はその理由をつけて答弁していただきたい。

竜城会と振興会は一体
質問1  竜城会と財団法人愛知教育振興会の所在地は、共に岡崎市明
大寺町馬場東62番地にあり、しかも竜城会と振興会の役員が兼務し合っております。このことから竜城会と振興会は表裏一体のものであることをあなたはお認めになりますか。

教育長― 竜城会は親睦団体であり、振興会とは別であります。

再質問  財団法人振興会の謄本の役員理事と竜城会の会長、副会長のトップの10人中8人までが兼任になっている。振興会の目的にも「竜 城会館の運営…」とある。同一体と考えるのが自然だ。


振興会の事業

質問2 振興会による事業についてでありますが、竜城会の各支部の事業部を通じて副読本等を販売しており、豊田市の場合、小学校は元城小学校、中学校は高岡中学校が注文を受け付けており、例えば『ことばのきまり』は十二月二十日までに注文し、三月末に配本となります。この事実をお認めになりますか。

教育長―副読本は、三河教育研究会の研究により必要だと判断されたものがつくられ、市で配布しています。

再質問 振興会は、三河教育研究会と表裏一体であるようなカモフラージュをしたり、「信濃の教育」に似せて「三河の教育」と美辞麗句を並べているが、昭和49年度振興会から原稿料284万円も受け取っており、いってみれば先生のアルバイトではないか。それに「テスト類や修学旅行のしおり」もつくっている。

市費で副読本を…と要請

質問3 昭和49年10月7日、三河の教育長会議が開かれ、この席上、振興会から「副読本を公費で採用されたい」という依頼があり、豊田市においても昭和50年度では振興会の出版物、小学校では『ことばのきまり』『たのしい体育』『みんなの安全』。中学校では『ことばのきまり』『中学生の安全』などで総計10.312.100円を支出している。この事実を教育長は認めるか。

教育長―教育長会議での振興会からの要請は出席していないので知りません。

実質リベ―ト

質問4 振興会は、昭和49年4月1日から昭和50年3月31日の間、2億4百97万4千76円の副読本の売り上げがあり、この原価は1億3千7百86万1千466円、粗利益は6千7百万円余となる。このうちから協議会補助金8百11万60円、教育振興費1千337万1千5百円、研究調査費390万8千30円などが支出されている。このうち教育振興費の一部が豊田市の各小学校に配分されており、その配分率は、各学校の売り上げ実績によっています。この教育振興費は、実質的にリベートである。しかも市費1千31万2千900円を支出してリベートを受け取るのは二重に問題です。 教育長は、この事実を熟知しているはずなので、この事実を率直に認められたい。

教育長―リベート問題は、振興会がやっていることなので、私は知らない。調査したい。

再質問―日頃、児童、生徒には、正直な子になれ、よい子になるように等々の説教を行っている学校は、一点のくもり、一点の汚れもあってはなりません。とくに、金銭をめぐることに関しては、微塵の疑惑を抱かれてもいけません。市費で副読本を購入し、その冊数、売り上げ高の実績によって各学校が教育振興費という名のリベートを受け取り、このリベートが何に使われたのかさっぱりわからない。このことはおかしなことだ。異常だ、と感じないくらい教育長は毒されている。教育振興費という名で、かくれみのにしてもリベートはリベートである。学校では、どのくらい経常経費がいるのか、また、どのくらい収入があるのかが不鮮明である。リベートでも、学校、学年、学級リベートがあり、PTAや企業からも不明瞭な金を学校は受理している。

旅費の補助も

質問5 また振興会は、昭和49年度事業の一つとして教員の国内外派遣助成をおこなっております。外国への派遣と助成は81名となっており、国内は24名です。この内外国の81名のすべてが竜城会員です。振興会の刊行物を販売した代償として外国に派遣という名の助成を受けることは、民間でよくある業者による外国招待旅行と何らかわらないのではないか。

教育長―国内外視察旅行には、差別がない。公平におこなっているはずだ。

不明瞭な随意契約

質問6 振興会刊行物を購入する際、採用の手続き・方法は、どのような判断に基づくのか。また、随意契約となっているが価格についても検討したことがあるのか。振興会は、昭和49年度に各種の助成金という名のリベートを支払い、経費を差し引いてもなお、600万円の黒字を計上しているのだから、もっと安くなるはずだ。

教育長―(答弁なし)。

管理職を独占

質問7 豊田市では現在、校長、教頭、教務、校務のいわゆる四役が総計158名いるが、その内、勤務24年以内で役付けになっているのは、竜城会員が37名(会員中の比率42%)。ところが教友会では四役22名の内、勤続24年以内で役付けになった教師は、たった17%(4名)にすぎない。また、第一師範や青年師範ではゼロであります。学閥によって管理職を独占することは、他大学出身の若い教員の意欲を失わせ、教員の質の低下に繋がるのではないか。

教育長―後日、個人的に話合いたい。

再質問―竜城会は、圧力・政治団体であり、教材業者でもあることが明らかになった。竜城会は解体すべきである。少なくとも、豊田市支部は即刻解散すべきである。